FXの「だまし」を科学する その2

レンジブレイクについての続きです。

レンジブレイクが起きると(または起きそうだと)、投資家の関心が一気に集まり、レンジブレイクありきで注文が積み上がっていきます。もちろんその注文はほとんどが順張りです。これでレンジブレイクが予想通り起きたら、その順張り注文が一気にヒットして加速度的に相場が進みます。

その際にはレンジブレイクをしないと見ていた逆張り派の損切り注文も巻き込むので、相当なエネルギーが注がれることになります。

・・・と、ここまでは、チャート分析やマーケットの雰囲気でレンジブレイクが起きることを想定して、その通りになった場合です。しかし、ここでダマシが起きたとします。

レンジブレイクするはずだった相場がレンジブレイクせず、元にも取ってきたとすると大多数の順張り派はダマシに遭ってしまい、損切りを余儀なくされます。実はこうしたパターンは少なくなく、レンジブレイクをしないと思っていた勢力によるダマシです。

ブレイクアウトしそうな相場展開になっていて、実際に前回の高値(または安値)をブレイクしたとします。投資家は一斉に順張りを入れてブレイクアウト相場に乗ろうとしますが、マーケットにはその逆を見越している投資家もいます。

ブレイクアウトといっても一時的なもので、すぐに戻ってくると考えている人は、逆張りを入れることでしょう。もし、この時にレンジブレイクに懐疑的で逆張りを入れる人が多かったり、別の要因などでレンジブレイクとは逆方向にバイアスがかかったとしたら、「レンジブレイク相場のセオリー通りにならない」として、ダマシ相場だと見なされるわけです。

つまり、ダマシというのは何もチャートの限界が露呈したといったことではなく、投資家心理が作り出すものです。



コメントは下のボタンを押して別ウィンドウから投稿できます。