FXの「だまし」を科学する　その４

押し目買いを入れてきた投資家を狙い撃ちにして損切り注文を誘うトレードを仕掛けてくる投機筋の話を前回してきました。

これに見事に引っかかってしまうと騙された感となりますが、こんな思惑が毎回うまくいくとは限りません。巨額の資金を投入して押し目を深くしたものの、投資家の買い圧力が強ければ再び上昇トレンドに戻って、押し目注文を狙い撃ちにしてきた勢力は巨額の損失を被ることになります。

この構図は、一般投資家にダマシを仕掛けてきた投機筋が返り討ちにあってしまったということに他なりません。ダマシを仕掛けた投機筋が騙しに遭うということも実際にあるわけで、外為市場ではこうした騙し合いもひとつの相場エネルギーであることが良く分かります。

こんなダマシが飛び交うFXトレードの世界ですが、逆にこのダマシをうまく利用したトレード術も存在します。

ここまで相場のダマシについて解説してきました。

つくづく相場というのは投資家同士の騙し合いで、しかもより力を持つ者（多額の資金を動かせる者）が支配する世界であることが、よく分かります。

それでは一般投資家という投資金額で劣る弱者には、ダマシ相場での勝ち目はないのでしょうか？いえいえ、そんなことはありません。ダマシ相場に引っかかることを防ぎ、ダマシ相場に乗っかることで自分も騙す側に回れば良いだけのことです。

この一連のダマシ相場についての解説で例えに出しているブレイクアウトが好例なのでブレイクアウトの「ダマシ」を使った逆の発想をご紹介したいと思います。

一連の解説でブレイクアウトが発生した時のダマシについては、当サイトのバックナンバーをご覧ください。レンジ相場が続いていた時にその相場がブレイクすると、一気に個人投資家の順張り注文が殺到し、さらにブレイクアウト相場が加速するという「セオリー」がある状況を想像してください。