FXで大損を招く危険な6つの手法 その6:両建てによる一時しのぎ

相場が思惑と反対の方向に進んでしまった時(逆行)、その動きが急だと人間は焦ります。前回はその状況で追加資金を入れる危険性を説きましたが、ならば両建ては?という考え方にも警鐘を鳴らしたいと思います。

両建ては片方のポジションが損失を出していてももう片方が利益を出しているので、トントンになってロスカットされることは永遠にありません。しかし、ここにひとつ大きな落とし穴があります。

それは、両建てといっても同じレートで建てたわけではないということです。相場が逆行して保有ポジションに含み損が出ている、そして含み損が拡大しているという状況で両建てをしても、その含み損の一部しか守られません。

さらに逆行が急激に進んだ際には保険として機能しますが、最も怖いのは両建てをした瞬間に相場が反転することです。すると両建てで後から建てたポジションは最も不利なレートを掴んでしまったことになります。せっかく相場が反転したのに往復ビンタのように損失が拡大するのは、想像しただけでもゾッとします。

この時に慌てて建てた両建ては、いわばこのシリーズ解説した「値頃感で建てたポジション」に他なりません。ポジションを建てた時に描いた相場観が外れたのであれば、そこは素直に最初に決めておいた損切りレートでポジションを捨ててしまいましょう。



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