金融市場の心理的な状態を表すVIX指数2

通貨には避難通貨と呼ばれる、経済危機対して比較的強いとされているものがあります。
意外かもしれませんが、その避難通貨の代表が日本円です。
日本円は比較的安定した通貨であるため、世界経済が危機的な状況になるなど何らかの暗雲が立ち込める時は、リスクヘッジとして日本円を買う動きが活発になります。
これはVIX指数にも表れており、VIX指数が高くなった時は投資家心理が悪い方に傾き、避難通貨として安全性の高い円買いが進む流れになると考えられます。
避難通貨の他の選択肢としてドルやユーロも考えられますが、どの通貨が避難通貨として選ばれるかはケースバイケースです。
ただ、世界で最も安全性の高い避難通貨の1つとして評価されているのが日本円なので、今後の経済にリーマンショックレベルの危機が発生した場合は円買いの流れが加速し、円高が進むことも考えられます。
逆に、経済の見通しが立たなくなった時に真っ先に売られる傾向が強いのは、不安定要素が多い新興国通貨です。
以上のことをまとめると、世界経済に不安がある時は真っ先に新興国通貨が売られ、代わりに円や米ドルなどが変わるという図式が成り立つといえます。



リーマンショックやギリシャ問題レベルの経済危機が発生するとVIX指数が急上昇して投資家心理が悪化し、規模の小さい新興国通貨が売られて、日本円や米ドルなどがリスクヘッジとして買われる流れが加速するという流れができあがります。
日本に住む我々にとっては、日本円が避難通貨とされているのは不思議に思うかもしれません。
日本は超高齢社会に突入するといわれており、労働人口が減っていくことが懸念されている一方で、莫大な借金を抱えている問題もあります。
そのような日本の通貨が、世界的にみると安全性や信頼性がトップクラスとされていることを考えると、日本よりも経済状況が危ない国は思いのほか多いといえるのかもしれません。
外から見ていると分かりませんが、それぞれの国が様々な問題を抱えているということなのでしょう。
しかし、日本円が今のところ安全通貨だからといって安心してもいられないかもしれません。
日本の景気は低迷状態が続いているうえに高齢化が進めば、日本円が避難通貨の地位から転落する日が来る可能性もあり、そうなったらFXの手法も今とは違ったものが求められるようになるでしょう。