FX初心者が知っておくべきリスク キャピタルロスその2

前回、FXはゼロサムゲームであることを述べました。これは実はとても重要なことで、他の投資商品と決定的に異なる点です。

例えば、バブル絶頂期の不動産と比べてみましょう。この頃の不動産はとにかく値上がり一辺倒だったので、不動産を持っている人は全員が資産を増やすことができました。つまり、ゼロサムゲームではありませんでした。

なぜなら、「不動産を持っていれば金持ちになれる」という不動産神話があったからです。今では昔話になっていますが、不動産を持っている人の中にはお金持ちがたくさんいますね。これも当たり前の話で、不動産には現物資産としての価値があるからです。所有しているビルやマンションに入居したい人がいれば家賃収入がありますし、価値がある不動産には高く買いたいという人が現れるので、売却することでも利益を狙うことができます。

FXにはそれがありません。ほとんどのFX投資家はレバレッジをかけて取引をしており、証拠金以外は現物資産ではありません。利益が出た時は仮想の投資商品から利益だけを取り出すことができますが、損失が出た場合は現物資産である現金を失うことになります。

さらに続いてFXのキャピタルロスについての解説です。

FXに参戦するということは、そういうことをしているという認識を持っていただきたいからです。

レバレッジについての認識があまりリアルに伝わっていない感がありますが、FXのレバレッジとはわずかな証拠金で多額の外貨を売買できる仕組みです。

単純に考えて、米ドルを1万ドル(10ロット)売買しようと思ったら1ドル=110円だとして110万円の日本円が必要です。ただしそれはレバレッジ1倍の場合であって、FXのメリットである投資効率が得られません。そこでレバレッジをかけて10倍、20倍という倍率でポジション取引をするわけですが、レバレッジ10倍だとして11万円、20倍だとして5万5000円の証拠金しか使っていないとしても、実際に売買しているのは110万円分の米ドルです。仮に米ドルを1万ドル買い持ちしていて5%の値下がりをしたらそれだけでも5万5000円が失われます。

証拠金が少ないとどうしても少額で取引をしている感覚になりますが、常に投資家の方には「実際にはいくらの外貨を売買しているのか」を意識していただきたいと思います。以前、5%の下落という意味を証拠金が5%減ると思っていた人がいましたが、こうした誤解は意外に多いのではないでしょうか。



コメントは下のボタンを押して別ウィンドウから投稿できます。