米中の貿易戦争がFXに与える影響 その1

トランプ大統領が就任して以降、何かとFXの舞台でも主役になることが多いわけですが、2018年の3月にはまたもやこの人がFXトレードに大きな影響を及ぼす話題を提供してくれています。

その話題とは、鉄鋼やアルミニウムの輸入品に高い関税を課すという、事実上の貿易制裁の発動に署名をしたことです。この関税の目的は、明らかに中国からの輸入品を狙い撃ちにしたものです。もっと正確には、日本からの輸入品も対象になっていると言って良いでしょう。ただ、貿易額の大きさを考えると中国が狙われていると考えるのが自然です。

このニュースを見た人の多くは、「なんで今さら?」と思ったかも知れません。貿易不均衡は今に始まったことではありませんし、アメリカは常に貿易赤字に悩まされてきたのですから。

しかし実は、この決定は今さらでもなんでもなく、実にタイムリーなことなのです。

この決定に唐突感を感じているような論調が目立ちますが、これはトランプ政権が長らく準備してきたことです。そもそもトランプ大統領はアメリカ国内の産業が輸入品によって圧迫されていることを解決する!という公約で票を集めてきた人なので、今回の決定はその公約を果たしているにすぎません。メキシコとの国境に壁を作るというハチャメチャな公約もありましたが、そちらも着々と話は進んでいます。

つまり、トランプ政権はやっていることがハチャメチャに見えますが、実は着々と公約を実行しています。ただし、その公約に現実味があまりないために「実行しようとしたができなかった」というアリバイ作りではないのかという指摘は尽きませんが。

さて、この決定に中国は当然ながら猛反発しています。報復としてアメリカ製品に高い関税をかけることを示唆していますので、この動きは米中貿易戦争と呼ばれています。



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